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AMSR2の観測周波数帯とプロダクト

【大気の観測 (降水量、水蒸気量、雲水量)】

大気中に含まれる水は、地球全体の水のわずか0.001%程度にしかすぎません。しかし、これらは水蒸気、雲、雨、雪など様々な形で存在し、潜熱の吸収・放出を通じて活発な大気現象の原動力となっています。水蒸気は大規模な水循環の担い手であるとともに、地球上で最大の温室効果を持つ気体であり、現在の気温を決める上で重要な役割を果たしています。雲は太陽放射を反射する一方で地球からの赤外放射をよく吸収するため、その白さや高さによって冷却と温室効果の両方を持ち合わせています。降水は地球表面へ水を還元する役割を持ち、水収支の算定に不可欠であるとともに、潜熱放出による大気へのエネルギー供給源としても重要です。AMSR2は水蒸気量、雲水量、降水量などの全球観測を行い、これらの現象の定量化に貢献します。

AMSRによる2003年4月の水蒸気量の月平均値分布(左)と降水量の月積算値分布(右)

AMSRによる2003年4月の水蒸気量の月平均値分布(左)と降水量の月積算値分布(右)

気候変動による降水現象の変動は、水資源や風水害の面で直接的に人間活動に影響を与えるため、実用面でも不可欠な情報となっています。また、マイクロ波帯で観測される輝度温度は、これらの大気物理量に良好な感度を有しているため、すでに気象数値予報モデルに同化され、日々の天気予報に用いられています。

可視光(GLI、左)とマイクロ波(AMSR、右)でみた2003年台風14号

可視光(GLI、左)とマイクロ波(AMSR、右)でみた2003年台風14号

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