2003年2月18日

灼熱の赤い大地オーストラリア


GLIが観測したオーストラリア
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上の図は、オーストラリアの中心を通る軌道上からGLIがとらえた画像です。 北は植生に縁取られたカーペンタリア湾岸からノーザンテリトリーへ、さらにレッドセンターと呼ばれる 広大な赤い大地が広がるマクドネル山脈、アリススプリングス付近を通り、南はシンプソン砂漠、 大鑽井盆地、アデレードへと、真夏のオーストラリア大陸が広がっています。
この画像は分解能250mの画像で、3つの可視光観測波長帯、660ナノメート ル(チャンネル22)、545ナノメートル(チャンネル21)、460ナノメートル(チャ ンネル20)のデータをそれぞれ赤、緑、青色に割り当てた、目で見た状態に最も近い 合成画像です。火星を思わせる強烈な赤い大地は、酸化鉄の色によるものです。
GLI第2回チェックアウト時の2月6日日本時間10:00頃に取得されたデータですが、ODR (光ディスクレコーダ)と呼ばれるみどりIIで初めて搭載された高速大容量データレコーダで 記録されたものです。 この装置により、日本で直接受信できない大量のデータも記録・再生し取得することが出来ます。


下の図は、上の図のアリススプリングス周辺を拡大したものです。
GLIが観測したオーストラリア:拡大
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脈状に出ている黄緑色や茶色の部分の多くは堆積岩で、酸化鉄が多いと思われます。 また青(もしくは青緑)の筋状のものは炭酸塩岩と考えられます。 また、緑色の部分は植生を表していると考えられます。 画像の東側に広く分布する黄色の部分はシンプソン砂漠で、拡大して注意深く見ると 北西-南東方向に多くの筋が見えますが、これも地質構造を表しています。 アリススプリングスの近くには、GLIの検証を行うテストサイトがあり、地上観測が行われ ます。
この画像は、資源探査や地質調査の目的でよく用いられるチャンネルの組み合わせで、 人間の目で見える可視光と見えない近赤外、短波長赤外の波長のデータ、2210ナノメートル (チャンネル29)、825ナノメートル(チャンネル23)、460ナノメートル(チャンネル20)を、 それぞれ赤、緑、青色に割り当てた画像です。 これは、ちょうどLandsat TMセンサで、バンド7、バンド4、バンド1を、赤、緑、青色に割り当て たものに相当します。
GLI 250mデータの特徴は、グローバル観測センサでは唯一6つの多チャンネルを持ち、植生や 土壌などの地表面の状態を、反射スペクトルと高い明るさの分解能で広域に把握することができ、 地域、大陸、全球規模で陸域を解析できることです。


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