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Japanese):
村上(全体・議論) 関尾(ストライプノイズ補正) 吉田(MOBY/Railroad代替校正)
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第2回ワークショップ開催の趣旨:
Ver.1のリリース以後も校正/検証グループではGLIの代替校正を行っており、
時間変動・走査鏡入射角に対する代替校正係数の特徴などが明らかになりつつある。
2004年5月末に高次アルゴリズム提出の予定であり、4月末までに
Ver.2における代替校正係数の方針を決める必要がある。
そこで、第2回代替校正ワークショップを4月下旬(4月21日)に開催する。
議題:
0. 趣旨説明(千賀先生、5分)
1. 縞取り係数と代替校正係数の関係(村上、10分)
1.1
Ver.2における校正式(縞取り・代替校正係数の取り込み方)のおさらい
- Level-1における輝度校正は以下の式で表される。
L1B_DN= L / (gcal(ch) *
gsys(ch))
L= gcal_coef(ch, det, mir, l_day) * a(ch, det, mir, phi, L',
l_day) * L'
L'= RVS(ch, mir, phi) * gttl_coef(ch, det, mir) *
(L1A_DN-O(ch, det, scan))
L1B_DN(ch, det, scan, pixel):
Level-1Bに格納されているフラグフィールドを除いたDN値
gcal:
ch毎の代替校正係数(det=6、mir=1*のgcal_coefに相当する値)、ユーザが適用しないこともできる。
gsys:
輝度割戻し係数(det=6、mir=0のgttl_coefに相当する値)
L(ch, det, scan, pixel):
縞取りと代替校正を行った後の輝度[W/m^2/str/um]
L'(ch, det, scan, pixel):
地上試験の値付け係数による輝度[W/m^2/str/um]
L1A_DN(ch, det, scan, pixel):
L1Aの地球観測値[DN]
O: 深宇宙観測値(スキャン毎)[DN]
gttl_coef:
総合ゲイン(Nadir方向の地上値付け係数、VN2では非線形補正テーブルを用いる)
gcal_coef:
ch、det、mir毎の代替校正係数
(代替校正ではmir=1*、det=6の係数を求め、detとmir依存性はストライプノイズ補正検討の中で求める。)
*
Ver.1ではmir=0
a: ストライプノイズ補正係数
ch, det, mir:
チャンネル(high/normalゲイン別)、ディテクタ番号、ミラー面(A: 0、B:
1)
scan, pixel:
スキャン、サンプル
phi: 走査鏡入射角[degree]
l_day:
打ち上げからの日数(2002/12/14がl_day=0)
- ストライプノイズ補正係数aはL'とphiの関数として表現される。
a= b0 + b1*L' + b2/L' + b3*L'^2 + b4*phi +
b5*phi^2
b0-b5: ストライプノイズモデル係数
ストライプノイズモデル係数b0-b5は、観測データのl_dayに対してLevel-1処理の中で計算され、
Level-1データ中にch毎にdet,
mirの次元を持つテーブル(spnz_)として格納される。
- Level-1Bから輝度に変換する場合は、以下のような処理を行う
L= gcal(ch) * gsys(ch) * L1B_DN
gcal:
ch毎の代替校正係数(det=6、mir=1*のgcal_coefに相当する値)、ユーザが適用しないこともできる。
gsys:
輝度割戻し係数(det=6、mir=0のgttl_coefに相当する値)
* Ver.1ではmir=0
1.2 Ver.2向け縞取り係数の概要(関尾、10分)
- 2、5、8、10月の縞取り係数を見るとディテクタ感度偏差は安定しているが、A/B差が時間変化している。
-
A/B差の大きさとその時間変動は、高ゲインバンドで(つまり低輝度域で)顕著である。
- CH1-8ではディテクタ感度偏差が太陽方向と関連しているように見える(偏光?)
2.
現状の代替校正係数の精度・状況
2.1 Globalデータによる時間変動・走査鏡入射角依存係数(村上、10分)
- CH01-03には走査鏡入射角依存性とその時間変動が認められる
-
ストライプノイズ検討や薄明時の迷光の解析から、迷光によってA>Bとなると推測されている。
-
エアロゾルモデル推定においてA面よりB面を基準にした方が期間変動が小さい
-
走査鏡A面の観測値に迷光が載っていて、B面は比較的安定であると仮定すると、下図のように、
2月から10月にかけてA/B差が減少して(A面の迷光が減って)いると解釈することができる。
-
迷光の代替校正係数に対する影響は赤-近赤外で大きい。
- A/B差の変動は、定量的に同じではないが、軌道上校正結果にもその影響が現れている。
- 全球代替校正による現在の推奨係数・式は、CH13-19B面基準の代替校正係数に対して
縞取りによる補正分を割り戻したもの、である。
2.2 MOBYやRailroadなど現場データによる結果(吉田、10分)
- いくつかの校正係数で系統的な特徴を示している。
-
走査鏡入射角依存性とその時間変動について全球データの結果と整合している。
- エアロネットを用いた相対的でない代替校正はB面にも迷光の影響があることを示唆している。
Table 1 GLI代替校正係数変動の特徴のまとめ
低輝度(全球vical、MOBYvical、ストライプノイズ検討などによる) | 高輝度(ストライプノイズ検討、Railroad vicalなどによる) | |
CH01-03 |
A面:入射角+迷光時間変動 |
入射角依存の時間変動 |
CH04-29 |
A面:迷光時間変動 |
特に認められず |
CH30-36 |
特に認められず |
特に認められず |
- 実際の迷光は観測点周辺の輝度などによってその大きさが変わるが、
縞取り係数のA/B偏差と走査鏡入射角依存性は、A面の迷光の平均的な傾向を表している
ものと思われる。
-
現在はA面を基準にして縞取り係数を設定しているが、これにより、
低輝度域では、実際の対象物の輝度よりもA/B両面で"かさ上げ"された輝度を、
Gcal適用前の輝度として扱っていることになる。
-
代替校正係数の時間変動(特に赤-近赤外での)は、上記を打ち消す方向に働いており、
2重に補正することで係数の見積もり誤差を余分に加えている危険性があると共に、
高輝度・低輝度の代替校正係数の不一致を生んでいると思われる。
- 現状で検証作業や高次アルゴリズムでA/B面偏差を考慮していなければ影響はないはず。
-
軌道上校正などを修正する必要が出てくる?
-
B面は安定している(迷光の影響などが十分小さい)といえるか?
@VNIRとSWIRのGttlと非線形テーブルとRVSについてB面基準に変更する
<-B面を基準にした方が高次のモデル選択が安定する、薄明域の迷光がA面の方が大きい、
B面よりA面の変化が大きいと仮定すると軌道上校正の変動が理解しやすいなどから、
相対的にB面の方が良いと思われる
AA面基準のままにする
-> 結論:@とする
3.2
Gcalに代替校正係数を(L1とL2のどちらに)入れるか?
-
全圏共通の係数(チャンネル*入射角*時間)を使うことができるか
- 低輝度と高輝度の係数を統一できるか
-
共通の係数でそれぞれの圏の高次プロダクト処理で問題があるか
-
各圏でlevel-2処理に代替校正係数を挿入できるか
@Level-1プロダクトのGcalおよびGttlテーブルに全球代替校正による係数を入れる
AL2処理に各圏それぞれの選択で考慮する
<-高輝度と低輝度の違いやB面での迷光の有無の検討がまだ必要なので
-> 結論:Aとする
3.3
紫外-青の走査鏡入射角依存性をどう(L1とL2のどちらで)扱うか?
-
走査鏡入射角依存性だけでもLevel-1B処理に入れるかどうか?
- 地上試験のRVSテーブルを継続して使用するか
-
全球代替校正で求められているRVSの時間変化を考慮するには縞取り係数に入れるしかない?
@地上試験のRVSテーブルを継続して使用する
<-phi依存の代替校正係数を用いればRVSの誤差も合わせて補正できるので、変えるメリットが少ない、
現状の検討のベースをなるべく変えない方が良い
ARVSテーブルを時間変化させる×(非現実的?)
B次善策としてRVSテーブル(Nadirで1.0に規格化したもの)を、全ての走査角に対して1.0とする
- この場合軌道上校正などを修正する必要が出てくる
-> 結論:@とする
4. 第2回ワークショップ決定事項とA/Iのまとめ(千賀先生、10分)
- 上記3.1-3.3についての決定事項
- VNIRとSWIRの基準走査鏡面はB面に変更する。
(4.1®@)
-
代替校正係数や代替校正で求められた走査鏡入射角依存性はL1Bデータには格納せず、
Level-2処理において各圏で係数・方法を選択して適用する
。(
4.2,4.3 ®
A@
)
- さらに検討が必要な項目
- 高輝度・低輝度の代替校正係数の差の要因(現場データとGLIセンサ両面から検討)
- CH1-8のディテクタ感度偏差のシーン依存の調査
-
時間変動縞取りテーブルの作成方法検討(Version-2対応)
Group | algorithm | vical coef |
Ocean | OTSK1A (atmos corr) | global vical |
OTSK13 (SST) | NA | |
Atmosphere | ATSK1 (cloud detect) | NA |
ATSK3 (aerosol) | global vical | |
ATSK5 (cloud) | NA | |
ATSK6 (water vapor) | NA | |
Land | ALL | NA |
Cryos | CTSK1 (area detect) | NA |
CTSK2b1 (snow prop) | Barrow vical |
---- 参考 第1回(代替)校正ワークショップ2003/10/24の結論概要 ----
・ Level-1のVer.1ではGcalは1.0として時間変動も入れない。
・
Level-1の処理上は将来4次関数として入れられるようにしておく。
・ 高次のVer.1では各々最適な係数を入れる。
・
GLI校正ワークショップの推奨係数は、暫定的に全球データ法による値
(http://suzaku.eorc.jaxa.jp/GLI/cal/vcoef/に掲載)とする。
・
代替校正係数の解析では、A/B面偏差(特に低輝度域)やデータの取得期間に留意すべきである。
・
Ver.2に向けて以下を検討する。
・ Ver.2では、縞(A面detector6基準)の時間変動や縞以外の絶対校正係数を
Gcalに入れるつもりで検討する(ある程度確実に傾向が把握できたら入れる)。
・
EOCToolkitでGcalの適用/非適用の切り替え機能を用意する。
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