観測日:2003/01/25
GLI初画像データによるクロロフィルa濃度、海面水温と雲の分布 (再作成版)上の図は、GLIの初観測データ(2003年1月25日の日本時間午前9時45分頃取得)から求めた(a)クロロフィルa濃度、(b)海面水温を色付けして表したものです。クロロフィルa濃度は、陸から河川などによって流れ出したり沿岸で湧き上がる栄養物質によって沿岸域で高くなる傾向があります。特に東北日本の太平洋沿岸や瀬戸内海、有明海、台湾海峡などで高濃度領域(黄色〜赤色)が現れています。
海面水温を見ると、西側の観測域では暖流である黒潮の流れが、東側ではその続流が雲間をぬって姿をみせています(黄色〜橙色の領域)。日本南方近海では、水温25度前後の暖かい海水が黒潮によって亜熱帯から運ばれてきており、冬季にはしばしば、この上空にシベリアからの冷たい季節風が流れ込みます。この際、海洋から大気への大きな熱の供給が行われ、これによって地球規模の熱の南北輸送が起こります。GLIの初観測データは、このダイナミックなエネルギー循環の様子を垣間見せてくれます。