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今回は、「GLIとPOLDERで見た雪氷」という題目で、雪氷域での反射特性を対象とした解析事例をご紹介します。
Fig.1にグリーンランドのGLI/L2雪氷標準プロダクト「SNGI」の16日間コンポジット画像を示します。グリーンランドは世界最大の島であり、約85%は氷床に覆われています。この氷床が全て解けると、海面が約7m上昇するという報告がIPCCから出されています。 雪の反射率は近赤外波長帯では粒径に、可視波長帯では不純物に依存するという特性を生かし、それぞれチャンネル19(825nm)チャンネル28(1640nm)を使用したアルゴリズムで各物理量が算出されています。また、Ver.2版ではチャンネル28(1640nm)の短波長赤外を利用して、表層の粒径を算出するアルゴリズムが開発されました。
ここでは2003年4月7〜23日までの(a)表層の粒径、(b)積雪中の不純物濃度、(c)雪面温度のコンポジット画像を示します。この期間、グリーンランドではおおよそ−30〜0℃の気温となり、春に向けて雪解けが始まります。Fig.2にグリーンランドの標高画像を示します。グリーンランド氷床の最高点は3,231mにも達し、周縁部に向かって徐々に低くなっています。特に東海岸は急傾斜となっており、Fig.1(c)雪面温度の温度勾配とよく対応しているのが見て取れます。またFig.1(a)の積雪粒径も、標高が高く低温な場所では粒径は小さく、反対に沿岸域では大きくなっています。また(b)の不純物濃度も内陸では少ないのに比べ周縁部ではやや高い値となっています。北半球は南半球に比べ人為活動が活発なため、大陸からのエアロゾル等が積雪中に多く含まれます。
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| Fig.1 SNGI16日間コンポジット画像 | ||
| (a)表層の積雪粒径[μm] | (b)積雪中の不純物濃度[ppmv] | (c)雪面温度[K] |
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| Fig.2 グリーンランドの標高画像 |
次に、GLIと共にADEOS-�兇謀觝椶気譴討い�POLDERについて、ほぼ同じ観測日での多方向観測による画像を紹介します。
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Fig.3 POLDER反射率画像 (R/G/B=670nm/565nm/490nm) |
このような反射の方向依存性について検討するため、まずFig.5に示すように、多方向観測データのプロットを2次関数(y=ax2+bx+c)で近似し、それぞれ0次項(c)、1次項(b)、2次項(a)に対し、面的にどのような特性が出ているかをFig.6に示します。
2次関数の0次項は反射率の高低を、2次項はBRDFを、また1次項はその両方の特性を示します。多方向観測で特徴のあった地点1と4について、これらの図を見てみると、地点1では地点4に比べ、aのBRDF特性やcの反射率の値がやや高くなっています。
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| Fig.5 POLDER多方向観測データに対する2次関数近似例 | Fig.6 POLDER 2次関数近似の項に対する反射率の特性 |
同じ平面に対し、このような特性を示すのはなぜかを検証するため、GLIのch13(678nm)1km分解能データをFig.7示します。この絵を見ると、地点1では微細なroughness構造があるのが見て取れます。グリーンランドや南極のような急傾斜を持つ氷床上では、斜面を吹き降りる強い風が度々吹きます。Fig.8に示すように、この地点の西側には標高の高い部分が存在します。この斜面を吹き降りる強い風で飛雪粒子が堆積し、その上で雪面が削りとられ、このようなroughness構造が発達したと推測されます(Fig.9参照)。またそれに加え、ここでは南側の谷筋に吹きこむ風によるroughness構造も見て取れ、結果これらの構造により、衛星の観測幾何条件に対して前方散乱が強く観測されたと考えられます。
POLDERの多方向観測とGLIの多波長観測の特性を併用することにより、このような微細な構造に対しても、様々な情報を抽出することが可能です。
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| Fig.7 | 【左図】 | GLIのch13(678nm)データと標高画像 |
| 【右図】 | 矩形領域に対する散乱特性の模式図 | |
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| Fig.8 グリーンランド標高画像と風向 | Fig.9 風による飛雪粒子の堆積 |