GLI雲/晴天識別,積雪/海氷識別フラグ標準プロダクト利用上の注意書き

アルゴリズム開発PI:Stevens Institute of Technology / Knut Stamnes
プロダクト検証PI:気象研究所 / 青木 輝夫
EORC内雪氷プロダクト検証担当:堀 雅裕


今回、公開するGLI雲/晴天,積雪/海氷識別フラグプロダクトについて、以下の点について留意された上での御使用お願いします。

本プロダクト(Ver.2, 2004年11月リリース)に対する精度の評価(目標値:5%に対する現時点での到達精度:10%)は,北極および南極域の日照時のGLIデータを用いて ,EORCにて行われたものである。

Ver.1プロダクトに比べ、以下の点について改善あるいは追加が行われている。

  • Ver.1で常に雲域と判別されていた高高度域(氷床・山岳域)での雲識別を改善した。
  • Ver.1で積雪域と識別されていた領域を,植生密度の高い領域と低い領域の2つに分けて識別するようにした。これは、後続の積雪不純物・粒径抽出処理において、植生密度の高い(不純物等の抽出誤差が大きくなる)領域を解析対象から除外するための処置である。

現時点で,以下の点について精度が悪い箇所が存在することが分かっている。

  • AMSRIなどマイクロ波センサーの同様プロダクトと比較して海氷域面積を
      若干少なめに見積もる傾向がある。
  • 夜間観測データの雲・雪識別精度については検証されていない。
例えば、海氷域面積については,マイクロ波センサーによる同等プロダクトと比較した場合,10%程度少なめに見積もられる傾向があることが確認されています。なお, 後続処理の積雪標準プロダクト(積雪粒径・不純物濃度)の処理対象データが日照域に限定されているため,日照域データでの雲・雪識別精度評価を優先作業としたため,夜間観測データでの識別精度評価に関しては現時点では行われていない。

上記に挙げた要改善項目については,今後さらに他衛星センサープロダクトとの比較・検証 を行うことで,Ver.3(2005年)およびそれ以降のデータリリースに向けてアルゴリズムの最適化を行っていく予定である(今後の検証計画)。

 


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