GLIから得られる成果物 - 大気圏 -
雲・エアロゾル・水蒸気の全球分布
地球温暖化の予測を難しくしている要因のひとつとして、計算機上に構築した気候予測モデルにおける雲の取り扱いが十分でないことが指摘されています。例えば、低層の雲と高層の雲は気候システムの中では異なる働きを持っていることが定性的には解ってきましたが、精度良い予測を行うためにはその働きを定量化する必要があります。また、地球温暖化に伴って、雲の分布や特性がどのように変化していくかについても良く解っていません。
エアロゾル(大気中を浮遊する微粒子)もまた、いわゆる日傘効果で説明される直接効果や、雲との相互作用としての間接効果を通じて、やはり気候システムに対して大きな影響を与えています。従って、雲やエアロゾル・そして水蒸気の分布を全球規模で観測し、そのデータを蓄積することが重要課題となっています。GLIセンサーを用いて推定されたこれらのデータを利用して、雲やエアロゾルの分布や、変動、そして相互作用のメカニズムについて調査する予定です。
なお、GLIセンサーの打ち上げ時点(2002年12月)までに、雲とエアロゾルの特性が標準プロダクトとして定義されました。水蒸気量については、研究の進捗によって将来的に標準プロダクトに加えられる予定です。
- 標準プロダクトリスト-
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